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zoom RSS 気を失いそうになった式辞

<<   作成日時 : 2017/03/02 20:45   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 1

何とか卒業式が終わった。
気を失いそうになりながらも式辞を読み終えた。
途中で文字がかすんで見えたり、読み違えてみたり、言葉をかんでみたりして散々だった。

卒業生に対してはこんな式辞しかできない人物に出会ったことが気の毒であると、今更ながら思った。

     式  辞

 聞くところによると例年になく厳しかったという今年の冬の寒さもようやく和らぎ、春らしい陽気になって来ました。
 奄美のシマウタに
「今日のほこらしゃや いつもより勝り いつも今日のごとに あらちたぼれ」
という歌があります。
「今日のような誇らしい日はいつのどの日よりも勝っている。いつも今日のようにあって欲しい」という意味です。
これは、今日のようなまさに卒業式などの佳き日に歌われるものであります。

 私は奄美大島の出身で、この学校に来てからは何故か奄美をよく思い出します。奄美もとても自然に恵まれたところですが、台風などこの自然故の厳しさもあります。
皆さんが六年間学んできた紙工(しとり)という地域も自然に恵まれた美しいところでありますが、市街地から離れてあるだけに大雨警報などで臨時休校を余儀なくされ、自然条件の厳しさを感じさせられることもありました。そして、この読みづらい不思議な地名にも興味深いものを感じていました。
調べてみるとこの地は古代には「倭文織(しずおり)」という日本古来の倭(やまと)文様の織物の生産地あったらしいこと、時代を経て、「しずおり」が「しとり」という読み方に変わり、さらに時代が変遷して、紙造りを業とするようになり、地名の読み方はそのままに当てた漢字が紙を生産する「紙工(しとり)」となったという由来があることを知りました。
 こういう古代から当時としては大変貴重であった織物や紙など、ものづくりの歴史のある土地で六年間学んだことはきっと大きな縁があり、意味があることだと思います。

 そして、本日、こうした歴史的に意味のある学びの地で、多数のご来賓のご臨席を賜り、平成二八年度学校法人みつ朝日学園・朝日塾中等教育学校の卒業式を挙行できますことは、卒業生はもとより、在校生・教職員一同大きな喜びであり、大変誇らしいことであります。心より厚くお礼申し上げます。

 ただいま、卒業証書を授与されました29人の皆さん、保護者の皆様、卒業おめでとうございます。心からお祝い申し上げます。

 さて、皆さんは、卒業にあたって数多くの思い出が去来していることだと思います。それらは紅華祭体育大会・文化祭を始めとした様々な学校行事や沖縄での平和学習・カナダの語学研修など青春のかけがえのない思い出が、大きな感動と共に蘇っていることでしょう。そして、高等部三年生になってからは、進学に向けて必死に努力している姿はとても印象的でした。特に、12月に入ってからは本番に向けた厳しい受験へのラストスパートとしてのセンターマラソンが近づくにつれ、皆さんの顔が日に日に凛々しく引き締まっていくのを感じました。一所懸命にがんばる姿には人間の品格が感じられるものです。
 とは言うもののまだ大学入試の結果がまだ出ていない人もいます。結果が不本意に終わる人も出てくるかもしれませんが、大学受験の合否だけで人生が決まるわけではありません。夢を持って、諦めずにがんばり続けることがなりよりも大切だと思います。自分の人生に向き合い、努力し続けて欲しいと願います。
この学校は生徒一人ひとりが主人公です。一人ひとりが主人公となって思い出を作り、朝日塾中等教育学校の新しい歴史を作り上げていることを誇りに思い、感謝しています。少人数学校の素晴らしいパフォーマンスを大いに発揮していただきました。本当にありがとうございます。

 こうした学校で過ごしてきたこと以外に皆さんには忘れて欲しくないことがあります。それは、皆さんが本校に入学する直前の、丁度六年前の2011年3月11日に起きた東日本大震災のことです。あの時は日本中に大きな衝撃が走り、これに追い討ちをかけるように福島原発事故が起き、大混乱が続きました。ほとんどの国民がこの国の行く末を本気で心配していました。特に、福島原発事故によって、いまなお避難生活を送る人々が、全国四七都道府県にわたって12万7千にも及んでいます。こういう事実も忘れないで欲しいと思います。
日本中が大きな衝撃に襲われた「3.11」を境に日本は大きく変わるべきだという議論も巻き起こりましたが、震災後の六年間で日本はこの大震災を教訓として変わることができたでしょうか。私たちは、もう一度立ち止まって、しっかりとこの現実に向き合い、将来のこの国のあり方を真剣に考えていくことが大切であるように思えてなりません。
 若い皆さんに託する課題の一つでもあると思います。

 また、皆さんが高校を卒業して歩んでいく社会は、グローバリズムという、本校でも留学生を受け入れることによって実感を持って受け入れるようになってきた言葉や、私たちの暮らしに直結する少子高齢化・貧困の問題など国内外の政治・経済・社会の深刻な課題が山積しています。
 奇しくも皆さんが中等部の入り口では東日本大震災の自然災害が厳しい状況を作り出し、出口の高等部の卒業式の時には公職選挙法の改正によって、日本の政治史上、初めて十八歳から選挙権が与えられ、皆さんは十八歳で有権者となった第一世代になりました。
まさに「政治上」の成人として選挙権が与えられ、こうした困難な政治的な課題にも有権者として自分の意思表示ができるようになりました。それだけに国内外の困難な課題にきちんと考えなければならない使命が与えられたことにもなります。これは本人が望むと望まないに関わらず、否応無く「大人」として認知されたことであります。「大人」として責任をもって考えなければならない責務を負わされたことになります。このことは、今年度、高校を卒業する生徒の最大の特徴であります。よく考えるとこれは大変なことであります。
 しかし、皆さんにはこの自然に恵まれた環境の中で健やかに過ごしてきたことで優れた感性を育み、また、本校特有のディスカッション科で学んだことや模擬国連の全国大会に代表を送り出した実績を共有しており、有権者としてきちんとした判断力を備えてきたことだと信じています。そうはいってもまだ十八歳です。この世界には学ばなければならないことが無数にあり、学ぶことに生涯をかけていかなければなりません。そうしたことができるように自らを成長させて欲しいと強く願っています。これからが真の学びの時間になるのです。
 
 保護者の皆様におかれましては、本校の教育方針を信頼して、預けていただいたことに心から感謝しております。選挙権を得た、名実共に「大人」になった「お子様」たちもきっと大いなる感謝の気持ちでいっぱいだと思います。
 生徒たちは、この学校で学んだ六年間に自信を持ち、本校の教育目標である「利他」「叡智」「剛健」を確実に身に付け、しなやかに生き、活躍されることを期待しております。

 式辞として気の利いたことは言えませんでしたがお許しいただきたいと思います。
卒業生の皆さんの中には、この一年間、話をしたことが無い生徒もいます。私の中には、年老いた者がでしゃばってはいけないと遠慮した気持ちもありましたが、今となっては少し残念です。でもこの広い世界の中の紙工という不不思議な地名にある学校で同じ空気を吸い、共に生きてきたことには変わりません。
 今後は、偶然にも同じ場所で一緒に生きてきた一人として、この世界のさまざまな問題に共にぶつかり、考え合う同志として共に歩んで生きたいと願っています。よろしくお願いします。
 皆さんには多くの可能性に満ちた長い時間が残されています。皆さんの豊かな個性とこれまで培ってきた能力を最大限に発揮して、将来、広い世界を舞台に大いに活躍されることを祈念して式辞といたします。

                                                   2017(平成29)年3月1日
朝日塾中等教育学校                           
 校長 仙田 隆宜
 

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
私からしたら、こんな素敵な式辞を受けたことないなと思いますけどね。ちょっと長いけど(^_^;
錯乱坊
2017/03/02 23:01

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