総会での提案の前に・・・

総会では準備された議案を淡々と読み上げて提案するつもりだった。
自分で予定していないことを話し出して収拾できないことになるのを恐れていた。

総会当日の朝、配達されてきた「東京新聞」を読んで、いろいろと考えさせられた。
大飯原発再稼働のことや野田と小沢の会談、そして、映画監督の新藤兼人が亡くなったことが記事になっていた。
表参道まで電車で20分弱、ホテルまでは歩く時間を入れても30分もあれば行けるのでいつもよりかなりゆっくりと家を出てもよかった。

ところがこれらの記事を読んで、心が騒ぎ始めた。
こんな記事が載った時に、これらの出来事に何も触れずに議案の提起に入ってもいいのかどうかと。

しっかり考えてみようと思い、いつもより早く電車に乗り、降りるはずの表参道を通過し、とりあえず事務局に向かった。
事務局で他の新聞も読み、大飯原発の記事の書き方が、各社微妙に異なることに気付いた。
事務局で1時間程時間を過ごして、会場のホテルに向かった。

午前中の理事会が始まるまでにはまだ時間があったので、やはり提案に入る前に少し新聞の記事に触れようと思いメモをした。

事務局で新聞のコピーをした紙の裏を利用して、メモを整理した。

そして、提案のほかに次のようなことを話すことにした。
計画性のない思いつきで、このことが時間を8分も超過した原因の一つでもあった。

第1号議案 2011年度事業経過報告(提案原稿)

全教互専務理事の仙田です。よちよち歩きでようやく2年目を終えようとしています。
東京での総会開催の3年目となり、全教互事務局による総会運営も各ブロックから応援を得ながらではありますが、かなり順調に進めることができるようになってきております。
事務局で綿密な計画を立て、総会準備を進めてきたつもりですが、ご不便をおかけする場面もあるかもしれません。そうした点については、ご指摘いただければ次年度以降、活かしていきたいと思いますのでよろしくお願い申し上げます。

総会の議案につきましては、5月17日発行の「全教互だより311号」に掲載し、各互助団体において十分な議論をお願いしてきたところです。
事務局から提案させていただきます各議案については、各団体の代議員から積極的なご質問やご意見をだしていただき、その内容をさらに深めていただければと願っています。
与えられた時間は55分となっています。
時間内に収める努力はいたしますけれども、いずれにしても結構長い時間かかります。かといってメモするような内容でも真剣に聴いてもらうようなものでもありませんので、申し訳ありませんがこの時間をただ耐え忍んでいただきたいと思います。

議案の提案に入る前に、一言、今朝の新聞報道で気になったことについてお話しさせてください。

1つめは、新聞各紙の1面トップに掲載されていた「大飯原発、再稼働」の記事です。これは関西広域連合が事実上容認したことを受けて、野田総理が自らの判断で再稼働に踏み切るというものです。ほとんどの新聞はこの事実のみを淡々と伝えていましたが、東京新聞は「これまで距離があるように見えた両者が『猛暑前の再稼働』というタイムリミットを前に出来レースだったかのように歩み寄った」と批判記事を書いていました。少しだけ救われた思いがしました。

2つめは、野田総理と小沢元代表の会談の記事です。政治生命をかけて消費税増税を進めるとしている野田と今は増税すべきではないとする小沢の会談は当然のように不調に終わりました。今後、いよいよ政局にキナ臭い匂いが立ち込めてきて、予断を許さない状況にさしかかっているように思われます。

3つめは、反戦・平和を貫き、原爆を生涯のテーマとした新藤兼人監督の100歳の人生を全うしたという記事です。新聞に彼の言葉が紹介されていました。「できることを必死に重ねていれば道はでき、やがて開ける」。
学ぶことのある言葉だと思います。

色々と考えさせられることの多い3つの記事でした。

余計なことをお話しして申し訳ありませんでした。それでは総会要綱8ページをお開きください。
「第1号議案 2011年度事業経過報告」を提案いたします。


こうして長い議案の提案は始まった。
代議員の皆さんの苦悩を眼前にしながら、ぼくは無情にも時間を超過してもなお止めなかった。
苦悩が怒りに変わったのだろうと推測しながら壇上を後にした。

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